192 *〜てはじめて/〜てこそ

動詞(どうし):て(かたち)  +  はじめて
          こそ
          こそ、はじめて


♪ 会話(かいわ) ♪
() :(ぼく)一平(いっぺい)()まれてはじめて、家族(かぞく)への責任(せきにん)というものを(かん)じるようになったよ。
良子(りょうこ)(わたし)一平(いっぺい)がお(はら)(うち)にいるときから、(まも)るべき(いのち)(からだ)(かん)じていたわ。ああ、(わたし)母親(ははおや)になるんだって。
() :「母親(ははおや)()まれながらに母親(ははおや)だが、父親(ちちおや)()どもを(そだ)ててこそ、はじめて父親(ちちおや)になれる」って言葉(ことば)があったね。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 これらの文型(ぶんけい)はどちらも前提(ぜんてい)条件(じょうけん)(あらわ)文型(ぶんけい)です。「〜てはじめて」は例文(れいぶん)1〜3のように「〜してから、(そのときになって)やっと〜した」という意味(いみ)も、例文(れいぶん)4、5のように、「〜という条件(じょうけん)があって、はじめて〜できる」の意味(いみ)(あらわ)すことができます。
 「〜てこそ」は「〜という条件(じょうけん)()たされれば〜が可能(かのう)だが、その条件(じょうけん)がなければ不可能(ふかのう)だ」という(つよ)表現(ひょうげん)で、後件(こうけん)(はなし)(しゃ)判断(はんだん)(あらわ)します。会話(かいわ)(ちゅう)の「〜てこそはじめて」は、それを(さら)強調(きょうちょう)した表現(ひょうげん)です。
 注意(ちゅうい)してほしいのは「〜てこそ」は例文(れいぶん)1〜3のように(すで)発生(はっせい)した事態(じたい)には使(つか)えないことです。反対(はんたい)に「〜てこそ」の(ぶん)語感(ごかん)(よわ)まりますが、どれも「〜てはじめて」を使(つか)って(あらわ)せます。→例題(れいだい)1)

§ 例文(れいぶん) §
1.日本(にっぽん)()てはじめて(×てこそ)刺身(さしみ)()べました。
2.病気(びょうき)になってはじめて(×てこそ)、健康(けんこう)のありがたさを()った。
3.()()ってはじめて(?てこそ)()(おや)(おん)俗語(ぞくご)
4.(たま)(みが)いてこそ(⇔てはじめて)(ひか)る。(みが)かなければただの(いし)()ぎない。
5.(はたら)いて(おのれ)(ちから)()きてゆけ。それができてこそ(⇔てはじめて)、一人前(いちにんまえ)()える。

★ 例題(れいだい) ★
1) 外国(がいこく)()らし(てはじめて/てこそ)、自分(じぶん)(くに)()さが客観(きゃっかん)(てき)に(()る/()える)ように(した/なった)。
2) 何事(なにごと)( )苦労(くろう)なくして()()げられない( )、それに苦労(くろう)が(ある→  )こそ(よろこ)びもあるのです。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) が(()V)/からと()って(→文型(ぶんけい)053/→文型(ぶんけい)056)/ばかり
2) か(「だ」も使(つか)える)/ていられ/を(移動(いどう)場所(ばしょ)は「を})


(ぜん)(ぺーじ)192(つぎ)(ぺーじ)

日本語(にほんご)()()(てら) 参拝(さんぱい)(ぐち)(もど)