166 〜()くす

動詞(どうし):[ます](かたち) +  ()くす


♪ 会話(かいわ) ♪
社長(しゃちょう)(わか)いときには()む・()つ・()うの(さん)道楽(どうらく)をし()くしたが、その(むく)いで(おや)()()にも()えず、後悔(こうかい)したよ。(いえ)財産(ざいさん)()いつぶし、(のこ)ったのは借金(しゃっきん)だけ。
専務(せんむ)戦時(せんじ)(ちゅう)は、明日(あした)がどうなるかもわからない日々(ひび)でしたから、(わたし)()げやりなところがありました。
社長(しゃちょう)当時(とうじ)のことを(おも)()すと、(いま)でも(むね)(いた)むよ。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「()くす」は「ある(かぎ)りのものや(ちから)(すべ)()す」という意味(いみ)動詞(どうし)で、例文(れいぶん)1、2や「全力(ぜんりょく)()くす/手段(しゅだん)()くす/(くに)()くす」のように単独(たんどく)でも使(つか)われます。そこから補助(ほじょ)動詞(どうし)として「(のこ)らず全部(ぜんぶ)〜してしまう」という意味(いみ)(あらわ)すようになります。
 (るい)義文(よしふみ)(がた)動作(どうさ)完了(かんりょう)(あらわ)す「〜()わる」「〜()る」がありますが、そこには以下(いか)のような(ちが)いがあります。
 料理(りょうり)
  ()()えた。 <〜が()わった>
  ()()った。 <完全(かんぜん)に〜した>
  ()()くした。<(のこ)らず全部(ぜんぶ)〜した>
 目標(もくひょう)完遂(かんすい)強調(きょうちょう)したいときは「〜()る」、(のこ)らず全部(ぜんぶ)数量(すうりょう))を強調(きょうちょう)したければ「〜()くす」が基本(きほん)(てき)使(つか)()けとなります。そのため例文(れいぶん)3〜5のような(れい)には「〜()る」が使(つか)えません。→例題(れいだい)1)

§ 例文(れいぶん) §
1.(はち)(ぽう)(しゅ)()くして(さが)しましたが、ついに(かれ)()つけだすことはできませんでした。
2.それは筆舌(ひつぜつ)()くし(がた)(うつく)しさだった。
3.もう意見(いけん)出尽(でつ)くしたようだ。そろそろ結論(けつろん)()そうじゃないか。
4.あり(きん)全部(ぜんぶ)使(つか)()くして、(いま)(よる)(めし)(だい)もない始末(しまつ)だ。
5.当時(とうじ)苦労(くろう)は、ちょっと一言(ひとこと)では(かた)()くせません。

★ 例題(れいだい) ★
1) 優勝(ゆうしょう)(のが)した(ものの/ものを)、自分(じぶん)(について/として)は()てる(ちから)()し(()った/()くした)ので、後悔(こうかい)はありません。
2) (かれ)(もと)政治(せいじ)記者(きしゃ)だけに、政界(せいかい)(うら)( )(うら) ( )( )(()る→    )()くしている。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) から(強調(きょうちょう)「〜から〜んだ」)/どこ/だろうか(反語(はんご)文型(ぶんけい)161)
2) に/すがり/()


(ぜん)(ぺーじ)166(つぎ)(ぺーじ)

日本語(にほんご)()()(てら) 参拝(さんぱい)(ぐち)(もど)