名詞 : × + につけ 〜 につけ
動詞・イ
形容詞:
原形
山田:
良きにつけ
悪しきにつけ、
子は
親から
影響を
受けるね。うちの
姉など、
口うるさいところが
母そっくりだ。
李 :「この
親にしてこの
子あり」とは、けだし
名言だな。
百恵:
特に
娘は
年をとると
母親に
似ると
言われるけど・・・。
李 :
一方、
息子の
方は
父親の
背中を
見て
育つと
言われるね。となると、
僕の
責任も
重大だなあ。
「〜につけ」(→
文型328)から
生まれた
並立助詞の
用法で、「AにつけBにつけ」と
対になる
語を
重ねて、「〜の
時も〜の
時も〜」を
表します。
後件では
自然に
引き
起こされる
事態が
述べられます。そのため、
後件で
人為的な
事柄は
表せません。
問題になるのは「〜にせよ〜にせよ/〜にしろ〜にしろ」(→
文型319)が
同じような
意味を
表すことがあることです。これらは
後件で
自由に
人の
判断・
推量・
意志を
表します。
逆に
言えば
後件で
自然・
自発の
事態を
表すときは「〜につけ〜につけ」が
適切で、「〜にせよ〜にせよ/〜にしろ〜にしろ」が
不自然になります。→
例題1)
雨につけ
風つけ(×
雨にせよ
風にせよ)、
故郷のことが
思い
出される。
1.
雨につけ
風につけ、
故郷のことが
思い
出される。
2.
嬉しいにつけ
悲しいにつけ、
酒は
心の
友となる。
3.この
庭に
梅の
花が
咲くにつけ
散るにつけ、
思い
出されるのは、
若くして
亡くなった
娘のことだ。
4.
楽しいにつけ
悲しいにつけ、あなたと
過ごした
幾年月が
懐かしく
偲ばれる。
5.
良きにつけ
悪しきにつけ、
親は
巣立っていく
子供を
見守ることしかできない。