名詞: × + にして
にして、かつ〜
にして〜(ら)れない
にして、はじめて〜(ら)れる
山田:これは
彼にして、はじめてできることです。とても
素人とは
思えません。
正に
玄人はだしですね。
課長:
君にしては、
珍しく
手放しの
褒め
方だね。
他人の
良さが
認められるのは、
人間としての
成長だよ。
山田:
三十にして、ようやく
人の
苦労がわかるようになりましてね。
私もそれなりの
苦労はしたようです。
「〜にして」の
多くは「〜で」「〜でも」「〜であって」に
置き
換えられる
状況や
場面や
時を
強調する
表現になります。また、
例文2のように「Aにして、(かつ/
同時に)B」の
形で、「Aでもあり(かつ/
同時に)Bでもある」の
意味を
表します。
文型として
重要なのは「〜でさえ〜できない」に
相当する「〜にして〜(ら)れない」と、
例文4の「〜であってこそ〜できる」に
相当する「〜にして、はじめて〜(ら)れる」でしょう。この
二つの
文型は
口語でもよく
使われます。
なお、「
幸いにして/
不幸にして/
一瞬にして/
緊急にして」などは
語彙として
覚えた
方がいいでしょう。
1.ローマは
一日にしてならず。
2.
彼は
政治家にして、かつ
敬虔なクリスチャンでもあった。
3.
留学中は
貧しくて
食事も
満足に
食べられなかったが、
今にして
思えば、ひたすら
勉強に
専念できた
幸せな
時代だった。
4.このような
偉業は、
私心のない
彼にして、はじめて
成し
遂げることができたのだ。
5.
不幸中の
幸いとでも
言いましょうか、
大事故にもかかわらず、
主人は
幸いにして
軽いけがですみました。