332 〜に(も)なく/〜に(も)ない

名詞(めいし): ×  +  になく
          にもなく
          に(も)ない + 名詞(めいし)


♪ 会話(かいわ) ♪
() :小平(こだいら)がなついたせいか、お父様(とうさま)はいつになくお(よろこ)びだったね。
良子(りょうこ):あんなに(うれ)しそうな(ちち)(かお)(わたし)記憶(きおく)にないわ。()()れても(いた)くないような可愛(かわい)がりようって、あのことね。
() :うん、(ぼく)もあんなに相好(そうごう)(くず)されたお父様(とうさま)()たのは(はじ)めてだ。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「〜に(も)なく/〜に(も)ない」は名詞(めいし)直接(ちょくせつ)()けて、「普段(ふだん)の〜と(ちが)って/一般(いっぱん)の〜とは(おも)えない」という意味(いみ)(あらわ)します。(はなし)(しゃ)がいつもの状態(じょうたい)内容(ないよう)(こと)なる事態(じたい)直面(ちょくめん)したときに使(つか)文型(ぶんけい)です。間違(まちが)いが(おお)(あらわ)れるのは、(るい)(かたち)文型(ぶんけい)「〜と(も)なく」(→文型(ぶんけい)252)との(ちが)いですが、「〜と(も)なく」は疑問(ぎもん)()疑問(ぎもん)()(ふく)名詞(めいし)について不確(ふたし)かな状態(じょうたい)(あらわ)したり、「()るともなく(そら)(くも)()ていた」のように無意識(むいしき)行為(こうい)(あらわ)表現(ひょうげん)です。
  (かれ)はいつにもなく上機嫌(じょうきげん)だった。<いつもと(ちが)って>
  (かれ)はいつともなくいなくなった。<いつとわからないうちに>

§ 例文(れいぶん) §
1.()にもないことをするから、そんな失敗(しっぱい)するんだよ。
2.(われ)にもなく興奮(こうふん)して部下(ぶか)大声(おおごえ)怒鳴(どな)ってしまった。
3.彼女(かのじょ)はいつになくおめかしをして、そわそわと出掛(でか)けていった。
4.(こう)天気(てんき)(めぐ)まれたおかげか、今年(ことし)例年(れいねん)になく、蜜柑(みかん)豊作(ほうさく)だった。
5.普段(ふだん)(おお)きい(くち)(たた)いているくせに、いざとなると(くち)ほどにもない(やつ)だ。

★ 例題(れいだい) ★
1) どうしたん(かい/だい)?いつ(となく/になく)今日(きょう)(くん)(は/が)元気(げんき)がないじゃないか。
2) 子供(こども)( )もなく(かわいい→    )げのない(生意気(なまいき)だ→     )(くち)のきき(かた)をする小僧(こぞう)だなあ。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) にとって/(いま)や/なくては(なくてはならない→文型(ぶんけい)333)
2) に/(あい)される(「〜から〜られる」受身(うけみ)(ぶん))/こと(→文型(ぶんけい)084)


(ぜん)(ぺーじ)332(つぎ)(ぺーじ)

日本語(にほんご)()()(てら) 参拝(さんぱい)(ぐち)(もど)