476 〜を()

名詞(めいし): ×  + を()
         を()


♪ 会話(かいわ) ♪
百恵(ももえ): これほどの(えん)(やす)危機(きき)直面(ちょくめん)しても平然(へいぜん)としていられるなんて、うちの社長(しゃちょう)本当(ほんとう)(すご)いわ。
山田(やまだ)(ぼく)社長(しゃちょう)には、一目(ひとめ)()いているよ。戦中(せんちゅう)()には(ぼく)たちにない(なに)かがあるなあ。
() : 幾多(いくた)困難(こんなん)()て、この会社(かいしゃ)をここまでにしたんだろうが、(なに)より(あたま)(ひく)(てん)尊敬(そんけい)するよ、(ぼく)は。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「〜を()て」は経過(けいか)経由(けいゆ)意味(いみ)(あらわ)しますが、「〜を(とお)して」(→文型(ぶんけい)470)と(かさ)なる用法(ようほう)もありますので、それを対照(たいしょう)させてみましょう。
  10(ねん)歳月(さいげつ)()て(・を(とお)して)、ついに司法(しほう)試験(しけん)合格(ごうかく)した。<時間(じかん)
  正規(せいき)手続(てつづ)きを()て(・を(とお)して)、面会(めんかい)(さる)しんでください。<過程(かてい)
  幾多(いくた)困難(こんなん)()て(・を(とお)して)、(いま)地位(ちい)(きず)いた。    <経験(けいけん)
  香港(ほんこん)()て(×を(とお)して)、シンガポールに()く。      <経由(けいゆ)()
 (たと)えば、「〜を(とお)して」は経由(けいゆ)()(あらわ)せないので、「香港(ほんこん)(とお)して、シンガポールに()く」と使(つか)うと、「(香港(ほんこん)人脈(じんみゃく))を(とお)して」という手段(しゅだん)方法(ほうほう)意味(いみ)になってしまいます。「〜を()て」は(おも)場所(ばしょ)時間(じかん)(とき)使(つか)うといいでしょう。→例題(れいだい)1)

§ 例文(れいぶん) §
1.この便(びん)はシンガポールを()て、カルカッタに()かう。
2.(にん)(あいだ)逆境(ぎゃっきょう)(きた)えられ、幾多(いくた)試練(しれん)()てこそ(つよ)くなる。
3.現在(げんざい)人類(じんるい)類人猿(るいじんえん)から()かれて、(なん)(ひゃく)(まん)(ねん)という年月(としつき)()進化(しんか)してきた。
4.このチームは(きび)しい全国(ぜんこく)予選(よせん)()て、()(のこ)った精鋭(せいえい)たちからなります。
5.(かれ)戦場(せんじょう)生死(せいし)(さかい)をさまようような経験(けいけん)()以来(いらい)、すっかり人格(じんかく)()わってしまった。

★ 例題(れいだい) ★
1) (かれ)手紙(てがみ)を((おく)って/(おく)ると)もう3カ(げつ)を(()た/(とお)した)のに、(なに)返事(へんじ)も((きた)る→    )。
2) 日本(にっぽん)では委員(いいん)(かい)審議(しんぎ)( )()国会(こっかい)に(提出(ていしゅつ)した→     )法案(ほうあん)は、ほとんど(可決(かけつ)する→     )。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) が/ピーク/が(「〜のに」は因果(いんが)逆説(ぎゃくせつ)文型(ぶんけい)359)
2) を/に/を(()V)/ように(〜ようになる→文型(ぶんけい)446)


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