186 〜でなくてなんだろう/〜と言わずしてなんだろう |
名詞・
名詞句: × + でなくてなんだろう
でなくてなんだ
引用句 : × + と
言わずしてなんだろう
と
言わずしてなんだ
(
注:
口語では
断定を
強めた「だろう→だ」の
形も
現れる)
李 :お
前、
最近やけに
嬉しそうだね。
廊下を
歩いてるときなんか、まるでスキップしてるみたいだぞ。
佐藤:
彼女のことが
頭から
離れない。ああ、これが
愛でなくてなんだろう。
李 :
馬鹿を
言うのも
休み
休みにしたら。
僕に
言わせりゃ、
女の
何たるか、「
知らぬが
仏」と
言わずしてなんだろう。
この
文型は
反問表現で、どちらも「
正に〜こそ、〜である」という
強い
断定になります。
会話で
使われることはあまり
多くなく、
書面語と
言えます。
「〜でなくてなんだろう」は
広範な
語と
結びつきますが、「〜と
言わずしてなんだろう」は
格言や
一般によく
使われる
言葉を
引用する
場合がほとんどです。
また
類義語の「〜そのものだ」(→
文型126)や「〜にほかならない」(→
文型341)と
比べたとき、「〜でなくてなんだろう」「〜と
言わずしてなんだろう」は、より
話者の
感嘆・
感動などの
感情が
表れるのが
特徴でしょう。
これこそ、ほんとうの
愛だ。
→これこそ
愛そのものだ。
→これこそ
愛にほかならない。
→これが
愛でなくてなんだろう。
→これを
愛と
言わずしてなんだろう。
1.
武力で
自国の「
正義」を
他国に
押しつけるようなやり
方が、
覇権主義でなくてなんだろう。
2.
環境破壊が
近代産業社会の
産物でなくてなんだろう。
3.よく
見てみろ。これが
偽作でなくてなんだと
言うんだ。
4.この
奥深い
味を、
匠の
味と
言わずしてなんだろう。
5.
平凡な
暮らしの
中にこそ
幸せがあると
言わずしてなんだろう。