動詞:[ない]
形 + ざるを
得ない
<
注:「する」→「せざるをえない」。
可能形や「ある・わかる」などの
状態動詞、「
疲れる・
困る」などの
状態性の
動詞にはつかない>
李 :あれだけの
証拠を
突きつけられたのでは、
流石の
彼も
自分の
落ち
度を
認めざるを
得なかったようだ。
山田:ぐうの
音も
出ないとは
正にこのことだね。その
直後のリーダーとしての
再指名とあっては、
彼も
名誉挽回のためにも
死にもの
狂いで
頑張らざるを
得ないだろう。
李 :
部長の
人使いのうまさには
脱帽するよ。
「〜ざるを
得ない」は
少し
硬い
言い
方ですが、
例文1〜3のように「(
何か
事情があって)〜するしかない/〜しなければならない」という
意味を
表します。また、
例文4、5のように、「
諸事情を
考えると/いろいろ
賛否はあっても〜という
結論に
至る」という
婉曲な
断定の
用例も
生じてきます。
どちらの
場合でも「そうしたくはないが、しかたなく〜」という
感情を
込めた
不本意な
選択で、
積極的な
選択ではありません。
類義表現に「〜よりほかない」(→
文型391)や「〜ないわけにはいかない」(→
文型457)などがありますが、
日常の
会話で
多く
使われるのはこちらの
方でしょう。
やらざるを
得ない。
=やるしかない/やるよりほかない。
=やらないわけにはいかない。
1.
君がしないなら、
僕がやらざるを
得ないだろう。
2.
風邪気味なので
休みたいのだが、
社長命令では
出社せざるを
得ない。
3.したくなくても、せざるを
得ないことはあるものだ。
4.
今回の
原発事故の
責任は、
単に
現場担当者だけでなく、
政府にもあると
言わざるを
得ない。
5.いろいろな
医学データーから
見て、タバコは
癌の
原因になると
言わざるを
得ない。