064 *〜 きりだ/*〜きり〜ない

名詞(めいし)・これ・それ・あれ: ×  +  (っ)きりだ
動詞(どうし)         :た(かたち)     (っ)きり 〜 ない
                   (っ)きりで 〜 ない


♪ 会話(かいわ) ♪
() :給料(きゅうりょう)()(まえ)(つら)いよ。()(せん)(えん)しか(のこ)っていないから、()()らすしかないよ。
良子(りょうこ):あっ、(おも)()したわ!この(まえ)()(まん)(えん)()したきりで、まだ(かえ)してもらってないわ。
() :しまった!(くち)(わざわ)いの(もと)だ。
良子(りょうこ):「後悔(こうかい)(さき)にたたず」ということわざもあるわ。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「〜きりだ」は名詞(めいし)数量(すうりょう)(ある)いは「こ・そ・あ」について、「〜だけだ」と(おな)意味(いみ)(あらわ)しますが、「非常(ひじょう)(わず)かだ/とても不足(ふそく)している」といった(はなし)(しゃ)感情(かんじょう)強調(きょうちょう)されます。また、動詞(どうし)完了(かんりょう)(かたち)(むす)びついて「〜したきり〜ない」という文型(ぶんけい)(つく)りますが、「〜したのが最後(さいご)で、その()、ずっと〜ない」という意味(いみ)(あらわ)します。この表現(ひょうげん)は「〜したまま〜ない」と「まま」(→文型(ぶんけい)406)を使(つか)っても(あらわ)せますが、「まま」は「〜の状態(じょうたい)()えない」という意味(いみ)ですから、不安(ふあん)心配(しんぱい)失望(しつぼう)感情(かんじょう)は「〜したきり〜ない」の(ほう)(つよ)(あらわ)れますし、例文(れいぶん)によっては「きり」と「まま」の意味(いみ)(ちが)いが用法(ようほう)(ちが)いとして(あらわ)れる場合(ばあい)もあります。→例題(れいだい)1)

§ 例文(れいぶん) §
1.(さい)をとって、ひとりっきりで()らすのは心細(こころぼそ)いものです。自分(じぶん)しか(たよ)れる(もの)がいませんからねえ。
2.今日(きょう)特別(とくべつ)(ゆる)しますが、これっきりですよ。
3.(ちょう)(くん)はアメリカに()ったきり、(なに)音沙汰(おとさた)もなくなった。
4.(ちょう)先生(せんせい)とは、()(ねん)(まえ)にお()いしたきりです。
5.(かれ)(こえ)をかけたが、ふんとそっぽを()いたきり、見向(みむ)きもしなかった。

★ 例題(れいだい) ★
1) その報告(ほうこく)(しょ)には(じっと/ざっと)()(とお)した(きり/まま)で、(こま)かい内容(ないよう)(まで/だけ/しか)はよく(おぼ)えていません。
2) 彼女(かのじょ)は(うつむく→     )きり、(なに)(たず)ねても一言(ひとこと)( )(くち)を(きく→    )とはしなかった。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) ともすると/がち(Vます(かたち)+)/ように(〜みたいだ→文型(ぶんけい)408)
2) に/の/()(のこ)れ(一段(いちだん)動詞(どうし)+まい→文型(ぶんけい)398)


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日本語(にほんご)()()(てら) 参拝(さんぱい)(ぐち)(もど)