167 〜つける/〜()れる/〜こなす

動詞(どうし):[ます](かたち) +  つける
           ()れる
           こなす


♪ 会話(かいわ) ♪
部長(ぶちょう):やりつけた仕事(しごと)でも、()れによる油断(ゆだん)禁物(きんもつ)だよ。「()れても()れるな」だよ。
() :「(さる)()から()ちる」ということですか。
部長(ぶちょう)自分(じぶん)(なん)でもやりこなせるようになったと過信(かしん)したとき、とんでもない失敗(しっぱい)をしでかすものなのさ。
() :(こころ)しておきます。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 他動詞(たどうし)「つける」は「()()ける・()えつける…」<接着(せっちゃく)>から、「(しか)りつける・()めつける…」<(つとむ)()>、「()きつける・かぎつける…」<感覚(かんかく)>まで(ひろ)複合(ふくごう)動詞(どうし)(つく)ります。ここでは「〜つける」が「〜することに()れている」という意味(いみ)(あらわ)用例(ようれい)()()げますが、この「〜つける」は「日頃(ひごろ)からたびたび〜している」<習慣(しゅうかん)(せい)反復(はんぷく)行為(こうい)> を(あらわ)します。
 「〜()れる」は「日本(にっぽん)生活(せいかつ)()れる」の表現(ひょうげん)でわかるように、対象(たいしょう)自分(じぶん)(ほう)から順応(じゅんのう)することです。自然(しぜん)生活(せいかつ)社会(しゃかい)風土(ふうど)などの環境(かんきょう)は、(ひと)(ほう)対象(たいしょう)順応(じゅんのう)しなければならないことですから、「()()れた(まち)」のように「〜()れる」しか使(つか)えません。「やりつけた仕事(しごと)・やり()れた仕事(しごと)」のようにどちらも使(つか)える場合(ばあい)動作(どうさ)注目(ちゅうもく)したのが「〜つける」で、対象(たいしょう)注目(ちゅうもく)したのが「〜()れる」です。
 一方(いっぽう)「〜こなす」は、「((むずか)しいことに習熟(しゅうじゅく)した結果(けっか)上手(じょうず)に〜する」という人間(にんげん)習得(しゅうとく)能力(のうりょく)技術(ぎじゅつ)(めん)注目(ちゅうもく)した表現(ひょうげん)です。意味(いみ)から使(つか)()けしましょう。→例題(れいだい)1)

§ 例文(れいぶん) §
1.ここらではあまり見慣(みな)れない(×つけない)(ひと)ですね。
2.ここは(かよ)いつけ(×()れ)の(みせ)なので、つけがきく。
3.やりつけない(⇔()れない)ことをしたもんで、今日(きょう)(からだ)節々(ふしぶし)(いた)くなりました。
4.(すご)いもんだねえ。モンゴルの()ども(たち)は、裸馬(はだかうま)自由自在(じゆうじざい)()りこなして(×()れて/×つけて)いる。
5.(かれ)(すう)(こく)()使(つか)いこなせる(×()れる/×つける)、まあ一種(いっしゅ)天才(てんさい)だ。

★ 例題(れいだい) ★
1) 彼女(かのじょ)上手(じょうず)和服(わふく)()(つけて/こなして)いるが、普段(ふだん)から()(つけて/こなして)いるに((ちが)いない/()ぎない)。
2) 作業(さぎょう)( )は、やはり(使(つか)う→   )()れたパソコン( )(かぎ)るよ。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) ものの/として/()った(()()くした=「もう余力(よりょく)はない」)
2) の/まで(「(うら)(うら)まで」は慣用(かんよう)(てき)()(いかた))/()


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