272 〜なしに/〜なくして/〜なしには〜ない

名詞(めいし): ×  +  なしに
          なくして
          なしには  〜 ない
          なくしては 〜 ない
(ちゅう)動詞(どうし)(とき)は「〜ことなしに/〜ことなくして」(とう)(かたち)となる)


♪ 会話(かいわ) ♪
() :小平(こだいら)(いだ)いてる(とき)(きみ)は、(しあわ)せそうな(かお)をしてるなあ。小平(こだいら)寝顔(ねがお)()ながら(なに)(かんが)えてるの?
良子(りょうこ):この()(おお)きな病気(びょうき)事故(じこ)なしに(そだ)ってほしいなあ、(しあわ)せな一生(いっしょう)(おく)ってくれるといいなあなんて。
() :そんなことを(かんが)えてるとは、想像(そうぞう)すらしなかったよ。やはり母親(ははおや)(あい)なしには子供(こども)(おお)きくなれないね。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「〜なしに/〜なくして/〜なしには〜ない」は通常(つうじょう)名詞(めいし)直接(ちょくせつ)接続(せつぞく)するのですが、たまに「〜がなしには」や「〜もなしに」の(かたち)(あらわ)れることもあります。動詞(どうし)のときは例文(れいぶん)5のように「〜すること<なしに/なしには/なくして>」(→文型(ぶんけい)086)のように「こと」を使(つか)って名詞(めいし)()(つく)れば使(つか)えます。
 「〜なしに」は「〜しないで/〜せずに」に相当(そうとう)し、文末(ぶんまつ)肯定(こうてい)表現(ひょうげん)呼応(こおう)します。「〜なくして(は)/〜なしには」は、どちらも「〜しなければ」を相当(そうとう)し、文末(ぶんまつ)否定(ひてい)表現(ひょうげん)(ほとんどは可能(かのう)(がた)「〜(ら)れない」)と呼応(こおう)します。
  許可(きょか)なしに図書館(としょかん)(ほん)()()した。
  許可(きょか)なしには図書館(としょかん)(ほん)()()せない。

§ 例文(れいぶん) §
1.災害(さいがい)予告(よこく)(も)なしにやってくる。
2.あなたなしには、(わたし)()きてはいけません。
3.周到(しゅうとう)準備(じゅんび)なくして(こと)(はじ)めると、(かなら)失敗(しっぱい)する。
4.経済(けいざい)(てき)自立(じりつ)なしには、個人(こじん)も、また国家(こっか)独立(どくりつ)もあり()ない。
5.苦労(くろう)することなしに金儲(かねもう)けをしようなんて、ちょっと(むし)()すぎるんじゃないか。

★ 例題(れいだい) ★
1) 皆様(みなさま)()支援(しえん)(ないで/なくして)、この(きび)しい選挙(せんきょ)(せん)には()ち(()れ/()け/()くせ)ません。皆様(みなさま)の((きよし)き/(きよ)く)一票(いっぴょう)是非(ぜひ)とも(わたし)に。
2) (おや)(と()う→      )ども、(ことわ)り(ない→   )に、(ぼく)部屋(へや) ( )(はい)らないでくれ。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) からって(=からと()って→文型(ぶんけい)053)/なくては/ない
2) (まもり)ら/さえ(「まで」も()文型(ぶんけい)100)/賛成(さんせい)し(→文型(ぶんけい)044)


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