414 〜もあろうに/〜でもあるまいに

名詞(めいし) :  ×  +  もあろうに
            でもなかろうに
            でもあるまいに
            でもないだろうに


♪ 会話(かいわ) ♪
山田(やまだ):お(きゃく)さんを(おこ)らせたんだって?みんなで検討(けんとう)すれば、もっと(かしこ)いやり(かた)がなかったわけでもあるまいに。
() :自分(じぶん)(なん)とかしようとして、かえって(はな)しをこじらせてしまった。迷惑(めいわく)をかけて(もう)(わけ)ない。
佐藤(さとう)一声(いっせい)かけるだけ時間(じかん)がなかったわけでもあるまいに、水臭(みずくさ)いぞ。(さん)(にん)()れば文殊(もんじゅ)知恵(ちえ)って()うだろ。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 ここで()()げたのは逆説(ぎゃくせつ)接続(せつぞく)助詞(じょし)「に」の用法(ようほう)です。この「〜に」は「〜のに」に相当(そうとう)し、非難(ひなん)不満(ふまん)後悔(こうかい)残念(ざんねん)といった感情(かんじょう)(つよ)()()します。
 「名詞(めいし)+もあろうに」は、(まえ)にくる(かたり)慣用(かんよう)(てき)()まっていて、「(ひと)()場所(ばしょ)・ところ・()り・こと」などです。
 否定(ひてい)(とき)は「名詞(めいし)+でもなかろうに/でもあるまいに」となりますが、これはいろんな名詞(めいし)(むす)びつきます。なお、現代(げんだい)口語(こうご)では「〜ではないだろうに」の(かたち)(ほう)(おお)使(つか)われるでしょう。
 「〜(よ)う/〜まい」と接続(せつぞく)助詞(じょし)「に」の(むす)びついた文型(ぶんけい)は、文型(ぶんけい)444の項目(こうもく)(べつ)()()げています。

§ 例文(れいぶん) §
1.()りもあろうに、葬式(そうしき)()最中(さいちゅう)故人(こじん)悪口(わるぐち)()うとは。
2.場所(ばしょ)もあろうに、こんな人通(ひとどお)りの(おお)いところで、会社(かいしゃ)のシークレットに()れるような(はなし)をするなよ。
3.こともあろうに、出国(しゅっこく)間際(まぎわ)になって、パスポートが(ぬす)まれていることに()がついた。
4.「(ひと)もあろうに、彼女(かのじょ)、どうしてあんなきざったらしい(おとこ)()れたんだろうね」「(たで)()(むし)()()きさ」
5.自分(じぶん)のことでもなかろうに、いちいち(くち)()すな。

★ 例題(れいだい) ★
1) こと(もあろうに/でもあるまいに)、週末(しゅうまつ)残業(ざんぎょう)を(しては/させられては)(しかたがない/かなわない)よ。
2) (おんな)子供(こども)でも(ない→     )に、人前(ひとまえ)( )大声(おおごえ)を(()す→    )()いたりするなよ。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) (つよ)め/(はや)める/べき(〜べきだ→文型(ぶんけい)382/〜はずだ→文型(ぶんけい)367)
2) を/(あつし)(あたた)かい→(あたた)める)/を/(ふか)


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日本語(にほんご)()()(てら) 参拝(さんぱい)(ぐち)(もど)