252 〜と(も)なく/〜と(も)なしに

疑問(ぎもん)()(+(かく)助詞(じょし)): ×  +  と(も)なく
動詞(どうし)       :原形(げんけい)     と(も)なしに


♪ 会話(かいわ) ♪
良子(りょうこ)近所(きんじょ)中国(ちゅうごく)帰国(きこく)(しゃ)(ほう)()()してきたの。
() :言葉(ことば)(こま)ってるだろうなあ。
良子(りょうこ):ええ、でも子供(こども)たちって()(げつ)もしないうちに(はな)せるようになって、(いま)では(おや)通訳(つうやく)をしてるんだって。
() :子供(こども)というのは、語学(ごがく)天才(てんさい)だね。(だれ)から(なら)うともなく言葉(ことば)(おぼ)えてしまうんだから。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「〜と(も)なく/〜と(も)なしに」は疑問(ぎもん)()疑問(ぎもん)()助詞(じょし))につくときは、「<いつ・どこで・(だれ)が・(なん)を>かよくわからないが、〜」という不確(ふたし)かさを(あらわ)します。また、感覚(かんかく)知覚(ちかく)思惟(しい)などを(あらわ)動詞(どうし)反復(はんぷく)し、「()るともなく()る/()くともなく()く」のように「〜しようというつもりはなく、ただ、なんとなく〜する」という無意識(むいしき)(おこな)われた動作(どうさ)(あらわ)します。日本語(にほんご)不作為(ふさくい)無意識(むいしき)行為(こうい)(あらわ)代表(だいひょう)がこの「〜ともなく/〜ともなしに」だと()えるでしょう。

§ 例文(れいぶん) §
1.(かれ)夕焼(ゆうや)けの(そら)()るともなく、ただぼんやりと()つめていた。
2.電車(でんしゃ)(なか)()くともなしに(となり)女子(じょし)高校生(こうこうせい)たちの(はなし)()いていたが、(あま)りのどぎつさに唖然(あぜん)とした。
3.()むともなく週刊(しゅうかん)()をめくっていると、なんと(むかし)なじみのA(くん)のことが()っているではないか。
4.どこからともなくいい(にお)いがしてきた。
5.(だれ)()うとなく、(かれ)のことを阿Q(あきゅー)()ぶようになった。

★ 例題(れいだい) ★
1) (()く/()いた)ともなしに(()いた/()いていた)有線(ゆうせん)放送(ほうそう)から、(むかし)(なつ)かしい(うた)が((なが)して/(なが)れて)きた。
2) (かれ)(だれ)(かた)る( )もなく「さようなら」とつぶやく( )、まるで(かぜ)の((ごと)し→   )、どこ( )ともなく()って()った。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) とも/とも/こと(〜とのことだ→文型(ぶんけい)209)
2) が(逆説(ぎゃくせつ))/残念(ざんねん)逆説(ぎゃくせつ)「〜ながら」→文型(ぶんけい)270)/つかない


(ぜん)(ぺーじ)252(つぎ)(ぺーじ)

日本語(にほんご)()()(てら) 参拝(さんぱい)(ぐち)(もど)