214 〜というものは/〜なるものは

名詞(めいし): ×  +  というものは
          ってものは<(くち)
          ってもんは<(くち)
          なるものは
(ちゅう)口語(こうご)では(おお)く「〜という→って」「〜もの→もん」となる)


♪ 会話(かいわ) ♪
() :(いま)までの日本人(にっぽんじん)にとって、会社(かいしゃ)というものは一種(いっしゅ)擬似(ぎじ)家族(かぞく)のようなものだったんじゃないかなあ。
百恵(ももえ)日本(にっぽん)(がた)経営(けいえい)なるものがそれね。
() :給料(きゅうりょう)をもらって(はたら)会社(かいしゃ)仕事(しごと)だけが仕事(しごと)じゃないんじゃないかって、最近(さいきん)(かんが)えるようになったんだ。
佐藤(さとう):じゃ、仕事(しごと)というのは、一体(いったい)(なに)だろうねえ。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「〜というものは」は「一般(いっぱん)に〜は、〜である」という話題(わだい)提示(ていじ)用法(ようほう)となります。口語(こうご)では「〜ってものは」が使(つか)われ、書面(しょめん)()として「〜なるもの」があります。(まえ)()(かたり)抽象(ちゅうしょう)(てき)意味(いみ)名詞(めいし)(おお)く、後件(こうけん)ではその内容(ないよう)説明(せつめい)(ぶん)がきますが、一般(いっぱん)(ろん)(あらわ)すのが特徴(とくちょう)なので、文末(ぶんまつ)には「〜ものだ/〜ものではない」といった表現(ひょうげん)(おお)(あらわ)れます。
  (ひと)一生(いっしょう)というものは、はかないものだ。
  人間(にんげん)というものは、逆境(ぎゃっきょう)によって(きた)えられるものだ。
 これらの文例(ぶんれい)は「〜というのは」(→文型(ぶんけい)213)も使(つか)えるのですが、「の」は個人(こじん)(てき)感想(かんそう)意見(いけん)となり、「もの」は一般(いっぱん)(ろん)普遍(ふへん)事実(じじつ)(つた)える特徴(とくちょう)がありますから、一般(いっぱん)(ろん)()べるときは「〜というものは」がいいでしょう。

§ 例文(れいぶん) §
1.人間(にんげん)というものは一人(ひとり)では(なに)もできない、そんな(よわ)存在(そんざい)なのだ。
2.(あい)ってものは、ガラス細工(ざいく)みたいに(こわ)れやすいものさ。
3.どんな(おや)にとっても、子供(こども)というものはかけがえのない宝物(ほうもつ)だ。
4.(しん)友情(ゆうじょう)なるものは、(かね)()えるものではない。
5.夫婦(ふうふ)ってもんは元々(もともと)他人(たにん)なんだから、努力(どりょく)しなければ、  うまくやっていけないものなんだ。

★ 例題(れいだい) ★
1) 歴史(れきし)という(の/もの)は、いつも勝者(しょうしゃ)(につれて/によって/について)(()いて/()かれて)きた。
2) 夫婦(ふうふ)なるものは、((よろこ)ぶ→   )も((くる)しむ→   )も(とも)に(()()う→      )ねばならない。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) もの(→文型(ぶんけい)214)/さえ(〜さえ〜ば→文型(ぶんけい)101)/もん
2) が(逆説(ぎゃくせつ))/もの/でもな(〜ない→なかろう=〜ないだろう)


(ぜん)(ぺーじ)214(つぎ)(ぺーじ)

日本語(にほんご)()()(てら) 参拝(さんぱい)(ぐち)(もど)