287 〜にあって

名詞(めいし): ×  +  にあって
          にあっては
          にあっても


♪ 会話(かいわ) ♪
山田(やまだ):この会社(かいしゃ)創立(そうりつ)以来(いらい)非常時(ひじょうじ)にあっても()(みだ)さないのだから、本当(ほんとう)にうちの部長(ぶちょう)(きも)がすわっている。
佐藤(さとう):それにひきかえ()幹部(かんぶ)連中(れんちゅう)ときたら、責任(せきにん)(のが)れをしたり、右往左往(うおうさおう)したり。
山田(やまだ)当社(とうしゃ)にあって、このような事態(じたい)対応(たいおう)できるのは、やはりあの部長(ぶちょう)をおいてほかにないよ。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「〜にあって」は動作(どうさ)(おこな)われる状況(じょうきょう)()場面(ばめん)(あらわ)し、(かく)助詞(じょし)「で」や「〜において」(→文型(ぶんけい)291)に()()えることができます。しかし、この「〜にあって」は「〜において」より用法(ようほう)制約(せいやく)があります。
 (たと)えば以下(いか)用例(ようれい)ですが、「〜にあって」は「(みずか)らの()が〜に()って」という意味(いみ)なので、(うえ)(れい)のように特定(とくてい)場所(ばしょ)客観(きゃっかん)(てき)叙述(じょじゅつ)するときは使(つか)えません。(した)(れい)ではどちらも使(つか)えますが、「〜において」は客観(きゃっかん)(てき)立場(たちば)()った叙述(じょじゅつ)で、「〜にあって」は(はなし)(しゃ)自身(じしん)現代(げんだい)という時代(じだい)()きていて、その実感(じっかん)()べる表現(ひょうげん)です。
  今日(きょう)講堂(こうどう)で(・において/×にあって)、全校(ぜんこう)討論(とうろん)(かい)(ひら)かれます。
  現代(げんだい)では(・においては/・にあっては)、男女(だんじょ)平等(びょうどう)時代(じだい)趨勢(すうせい)です。

§ 例文(れいぶん) §
1.いかなる苦境(くきょう)にあっても、希望(きぼう)見失(みうしな)わないことだ。
2.この不況(ふきょう)()にあって、大学生(だいがくせい)就職(しゅうしょく)(なん)一段(いちだん)(きび)しさを()してきた。
3.(いま)重要(じゅうよう)なのは、この状況(じょうきょう)にあって(だれ)責任(せきにん)かを(ろん)ずることではなく、協力(きょうりょく)してどう活路(かつろ)(ひら)くかにある。
4.あの老人(ろうじん)こそ、()にあって政界(せいかい)(うら)(あやつ)戦後(せんご)政治(せいじ)黒幕(くろまく)である。
5.いつどこにあっても、(ぼく)(きみ)のことを見守(みまも)っているよ。

★ 例題(れいだい) ★
1) ストレス(による/における)病気(びょうき)というのは、この現代(げんだい)(にあって/によって)は()け(にくい/がたい)現象(げんしょう)だろう。
2) 戦時(せんじ)()( )あって、議会(ぎかい)(ちから)(うしな)い、軍部(ぐんぶ)権限(けんげん)は((つよ)い→   )まる(いち)(ぽう)( )あった。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) の(さい)是非(ぜひ)依頼(いらい)希望(きぼう)は「是非(ぜひ)」)/()()り(敬語(けいご)文型(ぶんけい)019)
2) に/まで/よう(〜ように→文型(ぶんけい)443)


(ぜん)(ぺーじ)287(つぎ)(ぺーじ)

日本語(にほんご)()()(てら) 参拝(さんぱい)(ぐち)(もど)