359 *〜のに

名詞(めいし)    : な       +  のに
動詞(どうし)形容詞(けいようし)普通(ふつう)(がた)<ナ(かたち)ーな>
(ちゅう)接続詞(せつぞくし)は「それなのに」 )


♪ 会話(かいわ) ♪
山田(やまだ):あの鼻持(はなも)ちならない新入(しんにゅう)社員(しゃいん)、ふん、ざまを()ろ。
百恵(ももえ)(なに)があったの?ねえねえ、(おし)えて。
山田(やまだ)(えい)(けん)一級(いっきゅう)だとほらを()いていたくせに、アメリカ(じん)通訳(つうやく)をやらされて四苦八苦(しくはっく)さ。ざまはないよ。
百恵(ももえ):できないのにできるふりをするから、(だい)(はじ)をかくことになるのよ。自業自得(じごうじとく)ね。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「〜のに」は「〜だから当然(とうぜん)そうなるはずだが、しかし〜」という因果(いんが)逆説(ぎゃくせつ)なので、「〜けれども/〜が」とは(こと)なっています。「〜けれども/〜が」は前項(ぜんこう)(こう)(こう)対立(たいりつ)する関係(かんけい)にあれば(ひろ)使(つか)えますが、「〜のに」は期待(きたい)予想(よそう)(はん)する事態(じたい)直面(ちょくめん)した(とき)使(つか)われるので、不満(ふまん)残念(ざんねん)失望(しつぼう)感情(かんじょう)(あらわ)れます。
  もう(はる)だが(・なのに)、(すこ)しも(あたた)かくならない。
  日本人(にっぽんじん)だが(?なのに)、英語(えいご)(はな)せる。
 (たと)えば(した)(れい)で「日本人(にっぽんじん)なのに」を使(つか)うと、因果(いんが)関係(かんけい)=「日本人(にっぽんじん)だから英語(えいご)(はな)せない」、つまり日本人(にっぽんじん)外国(がいこく)()習得(しゅうとく)能力(のうりょく)(ひく)いということを暗示(あんじ)していますから、日本人(にっぽんじん)(おこ)()すでしょうね。→例題(れいだい)1)
 なお、「〜のに」(けい)逆説(ぎゃくせつ)に「〜くせに」(→文型(ぶんけい)070)、「〜にもかかわらず」(→文型(ぶんけい)343)、「〜にしては/〜わりに」(→文型(ぶんけい)315)などがありますから、各項(かくこう)参照(さんしょう)してください。

§ 例文(れいぶん) §
1.()っているのに()らんぷりをして、(そら)とぼけてる。
2.本当(ほんとう)はほしいのに、やせ我慢(がまん)しなくてもいいんだよ。
3.(ぼく)のせいでもないのに、(おこ)られたり、弁償(べんしょう)させられたり、いやはや()んだり()ったりだ。
4.警察(けいさつ)ですらさじを()げた非行(ひこう)少女(しょうじょ)なのに、(いち)教師(きょうし)のあなたの()()えるはずがないわ。
5.だから()わないことはない。あれほどやめろと忠告(ちゅうこく)したのにするからだ。

★ 例題(れいだい) ★
1) ()をつけて(()(あつか)う/()(あつか)い)ように()った(が/のに)、こんなに(こわ)れてはもう((なお)す/(なお)し)ようがない。
2) やればできる(()→  )のに、いくら()っても自分(じぶん)から(やる→   )という()になって(くれる→     )。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) なんのって/この(「あの()」は死後(しご)世界(せかい))/(おも)えない
2) (いた)くない/()げ(様態(ようたい)の「そうだ」)/そうに(=ナ(かたち)+なる)


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日本語(にほんご)()()(てら) 参拝(さんぱい)(ぐち)(もど)