460 〜を(かぎ)りに/〜を(しお)

名詞(めいし)()(あらわ)(かたり): ×  +  を(かぎ)りに
                を(しお)
(ちゅう)(まえ)()(とき)は「〜のを(かぎ)りに/〜のを(しお)に」の(かたち)になる)


♪ 会話(かいわ) ♪
山田(やまだ):あいつ、「今回(こんかい)(かぎ)りに、二度(にど)遅刻(ちこく)いたしません」だってさ。その台詞(せりふ)(なん)()()いたことか。
佐藤(さとう):あまり感情(かんじょう)(ひょう)()さない課長(かちょう)も、ついかっとなって、「今日(きょう)(かぎ)りに()めろ」と怒鳴(どな)ったらしいよ。
山田(やまだ):これを(しお)に、(こころ)()()えてくれるといいんだが。
() :(くん)にも他山(たざん)(いし)じゃないの?おっと(くち)(すべ)った!

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「〜を(かぎ)りに」は「〜を最後(さいご)に〜をやめる」という意味(いみ)(あらわ)し、善悪(ぜんあく)関係(かんけい)なく使(つか)えます。一方(いっぽう)、「〜を(しお)に」は「〜を機会(きかい)に〜をやめる」という意味(いみ)ですが、(つね)()くない習慣(しゅうかん)行為(こうい)をやめるときに使(つか)われます。→例題(れいだい)1)
 これらの文型(ぶんけい)(ぎゃく)になるのが「〜を皮切(かわき)りに」(→文型(ぶんけい)462)や「〜をきっかけに/〜を契機(けいき)に」(→文型(ぶんけい)463)で、(なに)かを機会(きかい)(はじ)めるときに使(つか)われます。→例題(れいだい)1)
 なお、「〜を(かぎ)りに」には「(こえ)(かぎ)(さけ)ぶ・(こえ)(かぎ)りに(さけ)ぶ」のような「〜の限度(げんど)まで〜する」という意味(いみ)用法(ようほう)もありますが、用例(ようれい)(かぎ)られていますから、ここでは()()げていません。

§ 例文(れいぶん) §
1.今年(ことし)(かぎ)りに社長(しゃちょう)(しょく)退(しりぞ)き、後進(こうしん)(みち)(ゆず)ろうと(おも)う。
2.体力(たいりょく)(おとろ)えを(かんが)え、(いま)場所(ばしょ)(かぎ)りに相撲(すもう)(かい)引退(いんたい)する。
3.今日(きょう)(かぎ)りにあなたとはお(わか)れよ。あなたもお(しあわ)せにね。じゃあね、バイバイ。
4.この入院(にゅういん)(しお)に、(さけ)もタバコもやめるつもりだ。
5.刑事(けいじ)さん、(わたし)もこれを(しお)にやくざ渡世(とせい)から(あし)(あら)います。

★ 例題(れいだい) ★
1) 「子供(こども)()まれたのを((しお)(かぎ)り)に、麻雀(まーじゃん)仲間(なかま)とのつきあいをやめたよ」「これを((しお)())に麻雀(まーじゃん)(する/した)つもりで、その(かね)()()貯金(ちょきん)にしたらどう?」
2) 今月(こんげつ)( )(かぎ)りに(ぼく)会社(かいしゃ)( )退職(たいしょく)し、心機一転(しんきいってん)、もう一度(いちど)人生(じんせい)を(やる→   )(なお)したいと(おも)っている。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) も(かえり)みず/()(のこ)された(受身(うけみ)(ぶん))/(すく)わ(〜んがため→文型(ぶんけい)485)
2) も/に/を(〜を(きん)()ない→文型(ぶんけい)464)


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日本語(にほんご)()()(てら) 参拝(さんぱい)(ぐち)(もど)