196 〜手前(てまえ)

名詞(めいし): の    + 手前(てまえ)
動詞(どうし): た(かたち)


♪ 会話(かいわ) ♪
() :小平(こだいら)約束(やくそく)した手前(てまえ)()ってやらないわけにはいかないよ。(ひと)(はなし)では、なかなかのゲームソフトらしいし。
良子(りょうこ):でもテレビゲームに夢中(むちゅう)で、勉強(べんきょう)しなさいって()っても、全然(ぜんぜん)()かないのよ。
() :(じつ)はね、(ぼく)もあのゲームやりたいのさ。世間(せけん)手前(てまえ)(ぼく)()うというのも()ずかしいしね。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「手前(てまえ)」という(かたり)は「体面(たいめん)体裁(ていさい)面子(めんこ)」の意味(いみ)()っています。この文型(ぶんけい)はそこから派生(はせい)していて、「〜から、ほんとうはそうしたくはないが〜するしかない」という不本意(ふほんい)感情(かんじょう)(つよ)(あらわ)れる原因(げんいん)理由(りゆう)表現(ひょうげん)となります。そのため、文末(ぶんまつ)では「〜つもりだ/〜たい/〜(よ)う」(とう)積極(せっきょく)(てき)意志(いし)表現(ひょうげん)使(つか)えません。(おお)くの場合(ばあい)、「〜しないわけにはいかない/〜ざるを()ない/〜しかない/〜なければならない/〜よりほかない」などが文末(ぶんまつ)(おお)(あらわ)れます。

§ 例文(れいぶん) §
1.近所(きんじょ)手前(てまえ)(わたし)がこんなところでアルバイトをしていることは、内緒(ないしょ)にしていただきたいんです。
2.やくざに(から)まれたが、子供(こども)手前(てまえ)()()すわけにはいかなくなった。
3.一旦(いったん)やると()った手前(てまえ)、やらざるを()ないよ。
4.「(おれ)にまかせろ」と大見得(おおみえ)()った手前(てまえ)今更(いまさら)できないとは()いづらい。
5.(さけ)はやめると(つま)(ちか)った手前(てまえ)()むわけにはいかないんだ。

★ 例題(れいだい) ★
1) (きゃく)(への/にの)手前(てまえ)朝帰(あさがえ)り(する/した)(むすめ)大声(おおごえ)(しか)る(わけではなかった/わけにもいかなかった)。
2) 風邪(かぜ)( )理由(りゆう)( )会社(かいしゃ)を((やす)む→    )手前(てまえ)同僚(どうりょう)にここにいるのを(()る→     )ては(つたな)い。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) てはならない/が/とうとう(「やっと」は期待(きたい)したこと)
2) と(双方向(そうほうこう)は「と」、一方向(いちほうこう)は「に」)/()て/()


(ぜん)(ぺーじ)196(つぎ)(ぺーじ)

日本語(にほんご)()()(てら) 参拝(さんぱい)(ぐち)(もど)