086 *〜ことなく/〜ことなしに/〜ことなくして〜ない |
動詞:
原形 + こと(も)なく
ことなしに
ことなくして 〜 ない
山田:よく「
万里の
長城を
見ることなくして、
中国を
見たと
言うなかれ」って
言われるね。
李 :そんなことで、
中国を
見たことにはならないよ。
山田:どういう
意味?
李 :
広大な
内陸部の
農村地帯を
見ることなしに、
中国も
中国の
抱える
悩みも
見えないってことさ。
「〜ことなく」は「〜しないで〜する」、「〜ことなしに」は「〜しない
状態で〜する」という
意味を
表します。
置き
換えが
可能な
場合が
多いのですが、「〜ことなく」は「〜ことなしに」より
広範に
使えます。
箸を
使うことなく(?ことなしに)、スプーンで
食べた。
ご
飯を
食べることなく(・ことなしに)、
学校へ
行った。
「〜ことなくして〜ない」は
常に
文末で
否定形(「ない」
形)や
否定を
意味する
語と
呼応し、「〜しなければ、〜
決して〜ない」という
意味を
表します。
例えば、
例題1)も「〜ことなくして」を
使うと、
後件は「
社会を
変えていくことは
不可能だ」となります。
1.
彼は
雨の
日も
風の
日も、
休むことなく
働き
続けた。
2.
相手の
心を
傷つけることなしに、
間違いを
正すことは
難しいことだ。
3.
原則を
変えることなく、
現実に
柔軟に
対応することが
大切だ。
4.
犠牲を
払うことなくして
勝利を
得ることは
不可能だ。
5.
額に
汗して
働くことなしに
手に
入れた
泡銭は、
身に
付かぬものだ。