動詞:
原形 + べく 〜 する
べくもない
課長:
今回の
工事は
売上げ
目標を
達成すべく、
採算面の
不安はあったが
受注した。のるかそるかの
大博打だ。
佐藤:
工期の
短縮がポイントになると
思います。
過度の
利益は
期待すべくもないですが。
李 :しくじったら
目も
当てられませんが、
一か
八か、やってみましょう。「
虎穴に
入らずんば
虎児を
得ず」です。
「べし」の
連用形が「べく」で、「(
当然しなくてはならないと
思うことを)〜しようと
考えて」ということから
目的を
表すようになります。「〜ために」(→
文型153)と
置き
換えることが
可能ですが、
個人の
意志というより
当然の
義務という
気持ちが「〜べく」には
込められています。
家を
買うべく
貯金している。→
家を
買うために
貯金している。
「〜べくもない」は「(そう
望むが)
実際はとてもできない」という
不可能な
事態を
表します。「〜したくてもできない」や「〜しようにもできない」(→
文型447)に
置き
換えられますが、
個人の
能力ではなく、
周囲の
条件や
社会的理由によって
希望が
妨げられているという
語感になります。どちらも
今日では
文語表現です。
家か
高くて、
買うべくもない。→
家が
高くて、
買いたくても
買えない。
1.
多くのボランティアが
被災者を
救援するべく、
被災地の
神戸に
向かった。
2.
大学に
合格したことを
親に
伝えるべく、
国際電話をかけた。
3.
彼は
自分のマイホームを
持つべく、
節約に
節約を
重ねた。
4.
年収の
数倍以上もしては、
一般サラリーマンにはマイホームを
手に
入れるべくもない。
5.そうしたいのは
山々だが、
今の
僕には
君の
窮状を
救うべくもない。