296 〜に(かぎ)らない/〜に(かぎ)ったことではない

名詞(めいし): ×  +  に(かぎ)らない
          に(かぎ)ったことではない
          に(かぎ)ったことじゃない


♪ 会話(かいわ) ♪
() :最近(さいきん)援助(えんじょ)交際(こうさい)とかに(かぎ)ったことではないけど、(わか)(ひと)(せい)のモラルの(みだ)れはひどいようだねえ。
百恵(ももえ)(なに)(わか)(ひと)(かぎ)らないわよ。高校(こうこう)先生(せんせい)がテレクラ(がよ)いだなんて、はっきり()って買春(ばいしゅん)じゃない。
() :学校(がっこう)()まじめだとは(かぎ)らないけど、子供(こども)(あづ)ける()には到底(とうてい)なれないな。(むすめ)だったら(とく)にね。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 どちらも「〜だけではなく、そのほかにもある」という意味(いみ)(あらわ)しますが、「〜に(かぎ)ったことではない」は「〜に(かぎ)らない」よりも強調(きょうちょう)された表現(ひょうげん)になりますから、「(けっ)して・絶対(ぜったい)」などの副詞(ふくし)呼応(こおう)させるときはぴったりします。
 なお、この文型(ぶんけい)名詞(めいし)としか接続(せつぞく)できない制約(せいやく)があるので、通常(つうじょう)会話(かいわ)では「〜だけではない」を使(つか)えばいいでしょう。また、類型(るいけい)文型(ぶんけい)に「〜とは(かぎ)らない」(→文型(ぶんけい)244)がありますが、「(すべ)てがそうではなく、例外(れいがい)もある」という意味(いみ)ですから、用法(ようほう)(こと)なります。→例題(れいだい)1)
  生活(せいかつ)大変(たいへん)なのは(きみ)(かぎ)らない(×とは(かぎ)らない)。
  金持(かねも)ちが(だれ)でも(しあわ)せとは(かぎ)らない(×に(かぎ)らない)。

§ 例文(れいぶん) §
1.後継(こうけい)(しゃ)不足(ふそく)(なや)んでいるのは、農家(のうか)(かぎ)らない。
2.いじめや校内(こうない)暴力(ぼうりょく)は、(なに)日本一(にっぽんいち)(こく)(かぎ)ったことではない。
3.老後(ろうご)生活(せいかつ)不安(ふあん)(かん)じているのは、(きみ)(かぎ)らないよ。
4.(かれ)(ひと)意見(いけん)(みみ)(かたむ)けないのは、今日(きょう)(かぎ)ったことじゃない。
5.あなたに(かぎ)ったことじゃないけれど、(おとこ)(ひと)ってどうしてそんなに見栄(みえ)面子(めんこ)(かかわ)るの?

★ 例題(れいだい) ★
1) 学校(がっこう)(ぎら)いは()登校(とうこう)子供(こども)たち(に(かぎ)らない/とは(かぎ)らない)。まじめに(()る/()える)子供(こども)(たち)(ほう)が、むしろ爆発(ばくはつ)寸前(すんぜん)にまで(()いつめて/()いつめられて)いる。
2) (つら)くて(きたな)仕事(しごと)を((いや)だ→  )がる( )は、現代(げんだい)若者(わかもの)(かぎ)ったことでは(ない→   )かろう。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) に(かぎ)らず/にとって(→文型(ぶんけい)331)/にくい(→文型(ぶんけい)306)
2) (きり)ら/な「〜(てき)」はナ(かたち))/(つよ)まり(〜つつある→文型(ぶんけい)171)


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日本語(にほんご)()()(てら) 参拝(さんぱい)(ぐち)(もど)