285 〜に〜/〜に〜て/〜に〜を(かさ)ねて

動詞(どうし)A:[ます](かたち)  + に + 動詞(どうし)A:て(かたち)
                     た(かたち)名詞(めいし)
名詞(めいし)A: × + に + 名詞(めいし)
名詞(めいし)A: × + に + 名詞(めいし)A: × + を(かさ)ねて


♪ 会話(かいわ) ♪
() :昨夜(さくや)山田(やまだ)()みに()んで、()がついたら(えき)のベンチに()ていてね。電車(でんしゃ)がなくなっていたら大事(だいじ)だった。
良子(りょうこ):もう(わか)くないのですから、()をつけてくださいよ。よりによって、ドライブの前日(ぜんじつ)深酒(ふかざけ)だなんて。
() :残業(ざんぎょう)(つづ)きで無理(むり)無理(むり)(かさ)ねていたから、つい()みたくなってね。今日(きょう)運転(うんてん)(きみ)()わってくれよ。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 (ふく)助詞(じょし)「に」は列挙(れっきょ)累加(るいか)する表現(ひょうげん)で、名詞(めいし)につくときは「〜に(くわ)えて」と(かんが)えるといいでしょう。「と」と「に」を比較(ひかく)すると、「に」は密着(みっちゃく)累加(るいか)されるのですが、「と」は(たん)なる並列(へいれつ)です。(したが)って、(ひと)服装(ふくそう)(あらわ)すときは例文(れいぶん)1のように「AにB」の(かたち)使(つか)われます。また、パンの(うえ)にバターを()ったトーストは、「パンにバター」であって、「パンとバター」ではありません。
 この(ほか)に「〜に〜を(かさ)ねて」のように(おな)名詞(めいし)()(かえ)したり、(ある)いは「〜に〜て」のように、(おな)動詞(どうし)()(かえ)して、「〜して、また〜する」という動作(どうさ)(はげ)しく(おこな)われたことを(あらわ)程度(ていど)累加(るいか)表現(ひょうげん)(つく)ります。動作(どうさ)反復(はんぷく)だけを()うのなら「〜ては〜ては」(→文型(ぶんけい)188)がありますが、(たと)えば、「()いては(やぶ)り、(やぶ)ってはまた()き」と「()きに()いて」を(くら)べたとき、「〜ては〜ては」は反復(はんぷく)に、「〜に〜て」は程度(ていど)(はげ)しさに焦点(しょうてん)があります。

§ 例文(れいぶん) §
1.その(おとこ)(くろ)のジーンズに(しろ)いセーターを()ていた。
2.「(おに)金棒(かなぼう)」という慣用(かんよう)()は、これ以上(いじょう)(つよ)いものはないというたとえです。
3.()ちに()った息子(むすこ)帰国(きこく)()が、いよいよ(ちか)づいた。
4.飛行機(ひこうき)出発(しゅっぱつ)刻限(こくげん)(ちか)づいているのに、成田(なりた)()かう途中(とちゅう)渋滞(じゅうたい)()()まれ、(わたし)(あせ)りに(あせ)った。
5.苦労(くろう)苦労(くろう)(かさ)ねて()()った(いま)地位(ちい)を、手放(てばな)してなるものか。

★ 例題(れいだい) ★
1) 長年(ながねん)(にわたって/にかけて)研究(けんきゅう)(に/と)研究(けんきゅう)(かさ)ね、実用(じつよう)()成功(せいこう)した(の/こと)がこの製品(せいひん)だ。
2) ((はし)る→   )に(はし)って、やっと(えき)に(()く→   )ときには、電車(でんしゃ)はもう(()る→   )()だった。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) それにしても(→文型(ぶんけい)316)/(おこな)った(〜きり→文型(ぶんけい)064)/ない
2) ない/の(目的(もくてき):N+のために)/に


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日本語(にほんご)()()(てら) 参拝(さんぱい)(ぐち)(もど)