482 〜をものともせず(に)

名詞(めいし): ×  +  をものともせず(に)
(ちゅう)(まえ)()(とき)は「〜のをものともせず(に)」の(かたち)になる)


♪ 会話(かいわ) ♪
山田(やまだ)(くん)外回(そとまわ)りが()きだねえ。(あめ)(みち)()んでるのをものともせずに、お得意(とくい)さん(まわ)りかい?
百恵(ももえ):あら、(おも)いやりのないことね。どしゃ()りをものともせずになんて、社員(しゃいん)(かがみ)よ、社員(しゃいん)(かがみ)
佐藤(さとう)()いたい(やつ)には()わせておくさ。先輩(せんぱい)皮肉(ひにく)()()けながら()かけて()くヒラの悲哀(ひあい)()(ひと)()るさ。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「AをものともせずB」は「〜を(まった)(おそ)れないで/〜を()にもとめないで」という意味(いみ)(あらわ)します。困難(こんなん)障害(しょうがい)(A)を承知(しょうち)(うえ)()えて(B)を選択(せんたく)するときの表現(ひょうげん)で、行為(こうい)(しゃ)勇気(ゆうき)勇敢(ゆうかん)さに(たい)する(はなし)(しゃ)賛嘆(さんたん)()められています。
 類語(るいご)()の「〜をよそに」(→文型(ぶんけい)484)が「すべきことをしないで」という非難(ひなん)気持(きも)ちで使(つか)われるのと対照(たいしょう)(てき)です。(たと)えば(おな)文脈(ぶんみゃく)使(つか)っても、以下(いか)のように(まった)(こと)なる評価(ひょうか)になります。→例題(れいだい)1)
  吹雪(ふぶき)をよそに、(おとこ)(やま)(のぼ)った。   <無謀(むぼう)(おろ)かな行為(こうい)
  吹雪(ふぶき)をものともせず、(おとこ)(やま)(のぼ)った。<勇気(ゆうき)ある行為(こうい)

§ 例文(れいぶん) §
1.消防(しょうぼう)(たい)()(さか)(ほのお)をものともせず必死(ひっし)消火(しょうか)()たった。
2.古代(こだい)日本人(にっぽんじん)()(くる)(うみ)をものともせず、(あたら)しい知識(ちしき)(もと)めて(とう)(くに)へと(わた)って()った。
3.逆境(ぎゃっきょう)をものともせずに、(かれ)堂々(どうどう)とその試練(しれん)()()かっていった。
4.()()せる(てき)(ぐん)をものともせず、(せき)(はね)(ぐん)(しろ)(まも)()いた。
5.その青年(せいねん)身体(しんたい)障害(しょうがい)をものともせず、車椅子(くるまいす)世界(せかい)一周(いっしゅう)(たび)()た。

★ 例題(れいだい) ★
1) (まわ)りの中傷(ちゅうしょう)(をよそに/をものともせず)、(かれ)は(どこまで/どこまでも)信念(しんねん)(つらぬ)き(()いた/(とお)した)。
2) かつて弾圧(だんあつ)( )ものともせず、圧制(あっせい)( )((たたか)う→   )()いた革命(かくめい)()たちがこの日本(にっぽん)にもいた。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) が(もと)になり/ともに(→文型(ぶんけい)240)/形成(けいせい)されて(非情(ひじょう)受身(うけみ)(ぶん)
2) ()こった/を/制作(せいさく)された(非情(ひじょう)受身(うけみ)(ぶん)


(ぜん)(ぺーじ)482(つぎ)(ぺーじ)

日本語(にほんご)()()(てら) 参拝(さんぱい)(ぐち)(もど)