355 〜の(いた)りだ

感情(かんじょう)(あらわ)名詞(めいし): ×  + の(いた)りだ


♪ 会話(かいわ) ♪
() :(かれ)は「(わたし)不徳(ふとく)(いた)りです」なんて(あやま)っていたけど、内心(ないしん)(はら)(むし)(おさ)まらなかっただろうなあ。
山田(やまだ)(かれ)()()がないよ。会社(かいしゃ)のためにと相手方(あいてがた)とやりあったのに、せっかくの愛社(あいしゃ)(こころ)(いたずら)になってはねえ。
佐藤(さとう)(とき)には()(きなが)したり、(いち)()()くのも生活(せいかつ)知恵(ちえ)さ。相手(あいて)対応(たいおう)(はら)()てたのは、やはり若気(わかげ)(いた)りだよ。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「〜の(いた)りだ」は感情(かんじょう)(あらわ)名詞(めいし)(ほとんど漢語(かんご))について、「最高(さいこう)に〜の気持(きも)ちだ」という意味(いみ)(あらわ)しますが、(おお)くは慣用(かんよう)(てき)()まった表現(ひょうげん)で、公式(こうしき)(あらた)まった()でしか使(つか)われません。
 同義語(どうぎご)に「〜の(きわ)みだ」(→文型(ぶんけい)069)があり、「〜の(いた)りだ」の用例(ようれい)(すべ)て「〜の(きわ)みだ」に()()えることができます。この「〜の(きわ)みだ」は「疲労(ひろう)(きわ)みだ/親不孝(おやふこう)(きわ)みだ」のように感情(かんじょう)以外(いがい)(かたり)にも()くことができますが、その場合(ばあい)には「〜の(いた)りだ」は使(つか)えません。それ以外(いがい)にも、どんな場合(ばあい)にも使(つか)える「〜の(きわ)みだ」とは(こと)なり、「〜の(いた)りだ」はいいことにしか使(つか)えないという制約(せいやく)があります。

§ 例文(れいぶん) §
1.(あこが)れの女優(じょゆう)握手(あくしゅ)してもらって、もう感激(かんげき)(いた)りだ。
2.このような失態(しったい)(えん)じ、(まこと)恐縮(きょうしゅく)(いた)りです。
3.あの生意気(なまいき)(おとこ)がこてんぱんに()けたなんて、はっは痛快(つうかい)(いた)りだねえ。
4.このような名誉(めいよ)ある(しょう)をいただき、光栄(こうえい)(いた)りです。
5.つきっきりで病身(びょうしん)母親(ははおや)看護(かんご)する姿(すがた)は、()(むすめ)ながらも感心(かんしん)(いた)りだ。

★ 例題(れいだい) ★
1) 香港(ほんこん)返還(へんかん)はアジアの歴史(れきし)(から()って/からと()って)も特筆(とくひつ)す(べき/べし/べく)ことであり、(おな)じアジア(じん)(にとって/として)慶賀(けいが)の((いた)りだ/(きわ)まる)。
2) 大臣(だいじん)閣下(かっか)()配慮(はいりょ)( )もちまして、わが(しゃ)危機(きき)( )(だっ)することができ、(まこと)感謝(かんしゃ)( )(いた)りでございます。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) こと/の
2) こと(「の」も())/こと(「〜のは/ことは〜ことだ」(ぶん)


(ぜん)(ぺーじ)355(つぎ)(ぺーじ)

日本語(にほんご)()()(てら) 参拝(さんぱい)(ぐち)(もど)