385 〜べく〜/〜べくもない

動詞(どうし)原形(げんけい)  + べく 〜 する
         べくもない


♪ 会話(かいわ) ♪
課長(かちょう)今回(こんかい)工事(こうじ)売上(うりあ)目標(もくひょう)達成(たっせい)すべく、採算(さいさん)(めん)不安(ふあん)はあったが受注(じゅちゅう)した。のるかそるかの(だい)博打(ばくち)だ。
佐藤(さとう)工期(こうき)短縮(たんしゅく)がポイントになると(おも)います。過度(かど)利益(りえき)期待(きたい)すべくもないですが。
() :しくじったら()()てられませんが、(いち)(はち)か、やってみましょう。「虎穴(こけつ)(はい)らずんば(とら)()()ず」です。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「べし」の連用形(れんようけい)が「べく」で、「(当然(とうぜん)しなくてはならないと(おも)うことを)〜しようと(かんが)えて」ということから目的(もくてき)(あらわ)すようになります。「〜ために」(→文型(ぶんけい)153)と()()えることが可能(かのう)ですが、個人(こじん)意志(いし)というより当然(とうぜん)義務(ぎむ)という気持(きも)ちが「〜べく」には()められています。
  (いえ)()うべく貯金(ちょきん)している。→ (いえ)()うために貯金(ちょきん)している。
 「〜べくもない」は「(そう(のぞ)むが)実際(じっさい)はとてもできない」という不可能(ふかのう)事態(じたい)(あらわ)します。「〜したくてもできない」や「〜しようにもできない」(→文型(ぶんけい)447)に()()えられますが、個人(こじん)能力(のうりょく)ではなく、周囲(しゅうい)条件(じょうけん)社会(しゃかい)(てき)理由(りゆう)によって希望(きぼう)(さまた)げられているという語感(ごかん)になります。どちらも今日(きょう)では文語(ぶんご)表現(ひょうげん)です。
  (いえ)(たか)くて、()うべくもない。→(いえ)(たか)くて、()いたくても()えない。

§ 例文(れいぶん) §
1.(おお)くのボランティアが被災(ひさい)(しゃ)救援(きゅうえん)するべく、被災(ひさい)()神戸(こうべ)()かった。
2.大学(だいがく)合格(ごうかく)したことを(おや)(つた)えるべく、国際(こくさい)電話(でんわ)をかけた。
3.(かれ)自分(じぶん)のマイホームを()つべく、節約(せつやく)節約(せつやく)(かさ)ねた。
4.年収(ねんしゅう)(すう)(ばい)以上(いじょう)もしては、一般(いっぱん)サラリーマンにはマイホームを()()れるべくもない。
5.そうしたいのは山々(やまやま)だが、(いま)(ぼく)には(きみ)窮状(きゅうじょう)(すく)うべくもない。

★ 例題(れいだい) ★
1) 事態(じたい)がここ(ほど/まで)悪化(あっか)し(ては/ても)、もはや平和(へいわ)(てき)解決(かいけつ)など(のぞ)む(べき/べく)もない。
2) 明治維新(めいじいしん)( )(まな)び、祖国(そこく)独立(どくりつ)発展(はってん)( )貢献(こうけん)す(べし→  )、(おお)くの中国(ちゅうごく)留学生(りゅうがくせい)日本(にっぽん)(わた)った。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) に(たい)する(→文型(ぶんけい)322)/にあって(→文型(ぶんけい)287)/べからざる
2) (たす)け(相互(そうご)行為(こうい)の「〜()う」→文型(ぶんけい)288)/(あらそ)い/べきではない


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