361 〜はおろか/〜は()うまでもなく/〜は()うに(およ)ばず

名詞(めいし): ×  +  はおろか     〜 も  〜
          は()うまでもなく   さえ
          は()うに(およ)ばず    まで


♪ 会話(かいわ) ♪
佐藤(さとう):あれあれ、山田(やまだ)ったらおつりは()うに(およ)ばず、万札(まんさつ)までチップにしちゃったよ。
() :あんな美人(びじん)ににっこりされて、すっかり()()がってるんだよ。相手(あいて)商売(しょうばい)なのになあ。
佐藤(さとう):そのうち財布(さいふ)中身(なかみ)はおろか、鼻毛(はなげ)まで()かれちゃうよ。あいつ、美人(びじん)(よわ)いからなあ。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 どれも「Aは()うまでもなく、(さら)にBも〜」という語感(ごかん)共通(きょうつう)している文型(ぶんけい)です。作文(さくぶん)会話(かいわ)(とき)は、()ずAを()()げ、それよりも程度(ていど)(たか)いBを()()げなくてはなりません。(たと)えば、「(かれ)漢字(かんじ)()うまでもなく、ひらがなも()ける」は()(ぶん)になります。また、これらの(なか)で「〜はおろか」だけはマイナス評価(ひょうか)(ぶん)使(つか)われる文型(ぶんけい)なので、プラス評価(ひょうか)(ぶん)では「〜は()うまでもなく/〜は()うに(およ)ばず」を使(つか)いましょう。○ その()中学生(ちゅうがくせい)なのに、かけ(ざん)はおろか、()(ざん)さえできない。× その()はまだ5(さい)なのに、()(ざん)はおろか、かけ(ざん)もできる。
 これらは「〜はもちろん/〜はもとより」(→文型(ぶんけい)374)や、「〜ばかりでなく/〜ばかりか/〜にとどまらず」(→文型(ぶんけい)363)ともほぼ同義(どうぎ)文型(ぶんけい)になりますから、一括(いっかつ)して(おぼ)えましょう。

§ 例文(れいぶん) §
1.こんな成績(せいせき)では進学(しんがく)はおろか、卒業(そつぎょう)だって(あぶ)ないよ。
2.(こし)(いた)くて、()()がることはおろか、()ているのさえ(つら)い。
3.その地震(じしん)(いえ)財産(ざいさん)()うに(およ)ばず、家族(かぞく)(いのち)まで無惨(むざん)(うば)()った。
4.「ゆとり教育(きょういく)」という言葉(ことば)裏腹(うらはら)に、小中学生(しょうちゅうがくせい)()うまでもなく幼児(ようじ)までもが、受験(じゅけん)戦争(せんそう)()()まれている。
5.()うまでもなく、事態(じたい)風雲(ふううん)(きゅう)()げており、一刻(いっこく)猶予(ゆうよ)もなりません。<文頭(ぶんとう)(あらわ)れる(れい)

★ 例題(れいだい) ★
1) 漢字(かんじ)はおろか平仮名(ひらがな)(さえ/まで)(()める/()めない)(かれ)に、通訳(つうやく)(つと)まる(はずではない/はずがない)。
2) その(うわさ)はクラスは()う( )( )でもなく、(まばた)(あいだ)学校(がっこう)全体(ぜんたい)( )まで((ひろ)い→    )まった。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) (した)(きた)えられ(受身(うけみ)(ぶん))/ついに(様々(さまざま)過程(かてい)()結果(けっか)
2) の/を(()V)/も


(ぜん)(ぺーじ)361(つぎ)(ぺーじ)

日本語(にほんご)()()(てら) 参拝(さんぱい)(ぐち)(もど)