483 〜を余儀(よぎ)なくされる/〜を余儀(よぎ)なくさせる

名詞(めいし): ×  + を余儀(よぎ)なくされる
         を余儀(よぎ)なくさせる


♪ 会話(かいわ) ♪
山田(やまだ)(たよ)りの(きみ)()かけていたので、会議(かいぎ)では防戦(ぼうせん)余儀(よぎ)なくされる一方(いっぽう)だったよ。すんでのところで()()かされるところだった。
百恵(ももえ):あなたが(もど)るのを、(いま)(いま)かと()っていたのよ。
() :()(あせ)っていたんだが、ひどい夕立(ゆうだち)()ってしまってね、雨宿(あまやど)りを余儀(よぎ)なくされていたんだよ。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「余儀(よぎ)ない」は「()方法(ほうほう)がない・やむを()ない」を意味(いみ)する(かたり)で、例文(れいぶん)1のように単独(たんどく)でも使(つか)われます。そこから()まれたのがこれらの文語(ぶんご)表現(ひょうげん)で、「〜を余儀(よぎ)なくされる」と受身(うけみ)(かたち)使(つか)ったときは、周囲(しゅうい)事情(じじょう)強制(きょうせい)されて「〜するしかなくなる/やむを()ず〜する」という不本意(ふほんい)選択(せんたく)(あらわ)します。また、「〜に〜を余儀(よぎ)なくさせる」と使役(しえき)(かたち)使(つか)ったときは、「相手(あいて)に〜を強制(きょうせい)する」という意味(いみ)(あらわ)します。
 なお、例文(れいぶん)では()()げませんでしたが、「〜のやむなきに(いた)った」も「〜を余儀(よぎ)なくされる」と(おな)意味(いみ)(あらわ)しています。
  撤退(てったい)余儀(よぎ)なくされた。
 →撤退(てったい)のやむなきに(いた)った。
 →やむを()撤退(てったい)した。

§ 例文(れいぶん) §
1.余儀(よぎ)ない事情(じじょう)退社(たいしゃ)することになりました。みなさん、  これまで本当(ほんとう)色々(いろいろ)世話(せわ)になりました。
2.経営(けいえい)責任(せきにん)追及(ついきゅう)され、社長(しゃちょう)辞任(じにん)余儀(よぎ)なくされた。
3.相次(あいつ)事故(じこ)発生(はっせい)で、政府(せいふ)原発(げんぱつ)政策(せいさく)再検討(さいけんとう)余儀(よぎ)なくされた。
4.震災(しんさい)避難(ひなん)(しょ)()らしを余儀(よぎ)なくされた人々(ひとびと)(むね)に、将来(しょうらい)生活(せいかつ)不安(ふあん)(おも)くのしかかった。
5.果敢(かかん)自軍(じぐん)反撃(はんげき)によって(てき)(ぐん)撤退(てったい)余儀(よぎ)なくさせた。

★ 例題(れいだい) ★
1) 大雨(おおあめ)(による/によって)土砂崩(どしゃくず)れで、工事(こうじ)は((おく)れる/(おく)れ)を余儀(よぎ)なく(された/させた)。
2) (わたし)たちは相手(あいて)( )こちらの弱点(じゃくてん)を(()く→    )て、妥協(だきょう)余儀(よぎ)なく(する→    )。

(^^)(まえ)()解答(かいとう)(^^)
1) をものともせず/どこまでも/(とお)した(→文型(ぶんけい)352)
2) を/と(相互(そうご)行為(こうい)は「と」)/(たたか)い(→文型(ぶんけい)352)


(ぜん)(ぺーじ)483(つぎ)(ぺーじ)

日本語(にほんご)()()(てら) 参拝(さんぱい)(ぐち)(もど)