137 〜出(だ)す/〜始(はじ)める

動詞(どうし):[ます]形(かたち)  +  出(だ)す
             始(はじ)める


♪ 会話(かいわ) ♪
百恵(ももえ):ねえ、ねえ、課長(かちょう)が昨日(きのう)、若(わか)い女性(じょせい)と新宿(しんじゅく)を歩(ある)いてたっていうもっぱらの噂(うわさ)、知(し)ってた?
李(り) :田舎(いなか)から孫娘(まごむすめ)が出(で)てきて、語学(ごがく)学校(がっこう)に通(かよ)い始(はじ)めると聞(き)いていたけど・・・。
佐藤(さとう):でも何(なん)だか臭(くさ)いなあ。田中(たなか)さんが声(こえ)をかけたら、課長(かちょう)、突然(とつぜん)慌(あわ)て出(だ)したとか言(い)ってたよ。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「〜始(はじ)める」は動作(どうさ)動詞(どうし)について「食(た)べ始(はじ)める/読(よ)み始(はじ)める…」のように動作(どうさ)の開始(かいし)を表(あらわ)しますが、「〜出(だ)す」も自然(しぜん)現象(げんしょう)や感情(かんじょう)・生理(せいり)などを表(あらわ)す動詞(どうし)についたり、「今(いま)にも〜出(だ)しそうだ/〜出(だ)さんばかりだ」の形(かたち)で現象(げんしょう)の発生(はっせい)や開始(かいし)を表(あらわ)します。
 「〜出(だ)す」しか使(つか)えない動詞(どうし)として、感情(かんじょう)・生理(せいり)を表(あらわ)す「泣(な)く・笑(わら)う・怒(おこ)る・はにかむ・照(て)れる・慌(あわ)てる…」や、音(おと)の発生(はっせい)を表(あらわ)す「鳴(な)る・とどろく・響(ひび)く…」などがあります。これらの無(む)意志(いし)性(せい)の動詞(どうし)には「〜始(はじ)める」が使(つか)えません。逆(ぎゃく)に、同(おな)じ開始(かいし)でも「〜出(だ)す」は自然(しぜん)・突発(とっぱつ)性(せい)の強(つよ)い表現(ひょうげん)で人為(じんい)的(てき)・意志(いし)的(てき)なことではありませんから、「〜始(はじ)める」のように後件(こうけん)で「〜しなさい/〜てください/〜つもりだ」などの意志(いし)表現(ひょうげん)が使(つか)えません。どちらも使(つか)える場合(ばあい)も、「雨(あめ)が降(ふ)り始(はじ)める」は「しだいに/だんだんと」、「雨(あめ)が降(ふ)り出(だ)す」は「突然(とつぜん)/急(きゅう)に」というような語感(ごかん)の差(さ)を生(う)みます。→例題(れいだい)1)
 なお、「〜出(だ)す」は開始(かいし)以外(いがい)に、「引(ひ)き出(だ)す/取(と)り出(だ)す…」<外(そと)への移動(いどう)>、「作(つく)り出(だ)す・考(かんが)え出(だ)す・編(あ)み出(だ)す…」<創出(そうしゅつ)>を表(あらわ)す複合(ふくごう)動詞(どうし)も作(つく)ります。

§ 例文(れいぶん) §
1.制限(せいげん)時間(じかん)は1時間(じかん)です。すぐ書(か)き始(はじ)めてください。
2.突然(とつぜん)何(なに)を言(い)い出(だ)すのかと思(おも)ったら、何(なに)だそんなことか。
3.後(うし)ろの席(せき)のみんなが急(きゅう)に騒(さわ)ぎ出(だ)したので、私(わたし)は思(おも)わず振(ふ)り向(む)いた。
4.気(き)になり出(だ)すと、もう居(い)ても立(た)ってもいられなくなった。
5.洪水(こうずい)で川(かわ)の水(みず)が溢(あふ)れ出(だ)したとの情報(じょうほう)を聞(き)いて、周辺(しゅうへん)の住民(じゅうみん)は次々(つぎつぎ)と避難(ひなん)し始(はじ)めた。

★ 例題(れいだい) ★
1) 市長(しちょう)がその事故(じこ)のいきさつを(話(はな)す/話(はな)し)始(はじ)めると、傍聴(ぼうちょう)席(せき)の市民(しみん)は「先(ま)ず、責任(せきにん)の所在(しょざい)を明(あき)らかに(する/しろ)」と騒(さわ)ぎ(出(だ)した/始(はじ)めた)。
2) 雨(あめ)が(降(ふ)る→   )(出(だ)す→   )(そうだ→    )嫌(いや)な雲行(くもゆ)きだなあ。

(^^)前(まえ)課(か)の解答(かいとう)(^^)
1) を/卒業(そつぎょう)した/になっている
2) で(時間(じかん)・期間(きかん)の限定(げんてい))/終(お)わった/なる


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