324 〜に足(た)る/〜に値(あたい)する/〜に恥(は)じない

 名詞(めいし): ×   + に足(た)る/に足(た)りる/に値(ね)する
 動詞(どうし):原形(げんけい)     に足(た)りない/に値(あたい)しない
           に恥(は)じない
(注(ちゅう):「〜に足(た)る」と同(おな)じ意味(いみ)で「〜に足(た)りる」も使(つか)われる)


♪ 会話(かいわ) ♪
部長(ぶちょう):今回(こんかい)の第(だい)二(に)次(じ)OA化(か)計画(けいかく)は、会社(かいしゃ)全体(ぜんたい)の予算(よさん)の半分(はんぶん)を投(とう)ずるに値(あたい)する重要(じゅうよう)な計画(けいかく)だよ
課長(かちょう):確(たし)かにそう思(おも)いますが、大量(たいりょう)の余剰(よじょう)人員(じんいん)が生(しょう)じますから、労働(ろうどう)組合(くみあい)の総(そう)反発(はんぱつ)を招(まね)き兼(か)ねません。
部長(ぶちょう):そのことは問題(もんだい)にするに足(た)りない。労務(ろうむ)の話(はなし)では、もう組合(くみあい)との調整(ちょうせい)はついているとのことだ。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「足(た)る」は「必要(ひつよう)量(りょう)が十(じゅう)分(ふん)ある/十(じゅう)分(ふん)条件(じょうけん)を満(み)たす」などの意味(いみ)の動詞(どうし)で、この「〜に足(た)る」は「〜に値(あたい)する」と同(おな)じ意味(いみ)を表(あらわ)すようになります。この文型(ぶんけい)は必要(ひつよう)な質(しつ)・量(りょう)・条件(じょうけん)などを満(み)たすかどうかという基準(きじゅん)に立(た)ち理性(りせい)的(てき)評価(ひょうか)を加(くわ)える文型(ぶんけい)です。
 同義(どうぎ)表現(ひょうげん)に「〜にたえる/〜にたえない」(→文型(ぶんけい)323)がありますが、「聞(き)くにたえない」は「聞(き)いているのが我慢(がまん)できないほどひどい」という感情(かんじょう)や心情(しんじょう)を表(あらわ)しますから、外部(がいぶ)の対象(たいしょう)を客観(きゃっかん)的(てき)に評価(ひょうか)し、相手(あいて)に伝(つた)えるときは「〜に足(た)る/〜に足(た)りない」か「〜に値(あたい)する/〜に値(あたい)しない」の方(ほう)が適切(てきせつ)になります。
  満足(まんぞく)するに足(た)る(×にたえる)成績(せいせき)だった。
 なお、「〜に恥(は)じない」は、多(おお)くは「〜の名(な)に恥(は)じない/〜たるに恥(は)じない」の形(かたち)で使(つか)われ、「その価値(かち)が十(じゅう)分(ふん)ある」という意味(いみ)を表(あらわ)します。→例題(れいだい)1)

§ 例文(れいぶん) §
1.「男(おとこ)として生(う)まれたからには、人生(じんせい)を賭(か)けるに足(た)りる仕事(しごと)がやってみたいねえ」「女(おんな)だって同(どう)じよ」
2.取(と)るに足(た)りぬことを、重(じゅう)大事(だいじ)かの如(ごと)く騒(さわ)ぎ立(た)てるな。
3.彼(かれ)みたいな小物(こもの)が我々(われわれ)に対(たい)して何(なに)を言(い)おうがわめこうが、恐(おそ)れるに足(た)りない。
4.最近(さいきん)の小説(しょうせつ)は低俗(ていぞく)で、読(よ)むに値(あたい)しないものばかりだ。
5.日本(にっぽん)の能(のう)は幽玄(ゆうげん)の名(な)に恥(は)じない深(ふか)みがあり、一見(いっけん)に値(あたい)する。

★ 例題(れいだい) ★
1) 「この件(けん)、彼(かれ)ひとりに任(まか)せ(てあって/ておいて)大丈夫(だいじょうぶ)でしょうか」「大丈夫(だいじょうぶ)。彼(かれ)は我々(われわれ)(は/が)信頼(しんらい)する(に堪(こた)える/に足(た)る)男(おとこ)だよ」
2) さすが日本(にっぽん)きって( )名(な)酒(しゅ)( )( )あって、その名(な)に(恥(は)じる→  )芳醇(ほうじゅん)な香(かお)りと味(あじ)わいがある。

(^^)前(まえ)課(か)の解答(かいとう)(^^)
1) ときたら(→文型(ぶんけい)229)/に堪(こた)えない/ばかり(→文型(ぶんけい)362)
2) に(→文型(ぶんけい)304)/と(→文型(ぶんけい)237)/たえません


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