464 〜を禁(きん)じ得(え)ない

感情(かんじょう)を表(あらわ)す名詞(めいし): ×  + を禁(きん)じ得(え)ない


♪ 会話(かいわ) ♪
山田(やまだ):営業(えいぎょう)第(だい)二(に)課(か)の上半期(かみはんき)の売(う)り上(あ)げは、目(め)を見張(みは)るものがありますね。まさに驚(おどろ)きを禁(きん)じ得(え)ません。
李(り) :特(とく)に後半(こうはん)の追(お)い込(こ)みは凄(すご)かったですね。「精神(せいしん)一(いち)到(いた)、何事(なにごと)か成(なる)らざらん」とか言(い)いませんでしたっけ。
部長(ぶちょう):そんな古(ふる)い言()い方(いかた)を聞(き)くと、私(わたし)としては懐(なつ)かしくて懐古(かいこ)の念(ねん)を禁(きん)じ得(え)ないよ。

♯ 解説(かいせつ) ♭
 「〜を禁(きん)じ得(え)ない」は、自分(じぶん)で抑(おさ)えられないわき上(あ)がる感情(かんじょう)を表(あらわ)す文語(ぶんご)表現(ひょうげん)です。前(まえ)に使(つか)われる語(かたり)は「涙(なみだ)・怒(いか)り・憎(にく)しみ・憤(いきどお)り・義憤(ぎふん)・同情(どうじょう)・驚(おどろ)き・微笑(びしょう)・失笑(しっしょう)・悲(かな)しみ・喜(よろこ)び・失望(しつぼう)・〜の念(ねん)…」などの感情(かんじょう)を表(あらわ)す名詞(めいし)です。
 ここでは同類(どうるい)の自発(じはつ)・自然(しぜん)の文型(ぶんけい)を整理(せいり)しておきましょう。接続(せつぞく)の形(かたち)にはくれぐれも注意(ちゅうい)が必要(ひつよう)ですが、「〜ずにはいられない」(→文型(ぶんけい)261)や、「〜てならない」(→文型(ぶんけい)187)などの他(た)の表現(ひょうげん)に置(お)き換(か)えられる場合(ばあい)も多(おお)いでしょう。
  悲(かな)しみを禁(きん)じ得(え)ない。  <悲(かな)しい→悲(かな)しみ>
  悲(かな)しまずにはいられない。<悲(かな)しむ→悲(かな)しまない>
  悲(かな)しくてならない。   <悲(かな)しい→悲(かな)しくて>

§ 例文(れいぶん) §
1.君(くん)がこんな失敗(しっぱい)をするとは、僕(ぼく)は失望(しつぼう)を禁(きん)じ得(え)ない。
2.観光(かんこう)客(きゃく)に物乞(ものご)いする子供(こども)達(たち)の姿(すがた)を見(み)て、涙(なみだ)を禁(きん)じ得(え)なかった。
3.飽食(ほうしょく)の世界(せかい)の裏側(うらがわ)に、飢(う)えと寒(さむ)さで死(し)んでいく人々(ひとびと)がいる。私(わたし)はこの不公平(ふこうへい)に怒(いか)りを禁(きん)じ得(え)ない。
4.喜劇(きげき)俳優(はいゆう)Aさんの訃報(ふほう)に、私(わたし)は哀惜(あいせき)の念(ねん)を禁(きん)じ得(え)なかった。
5.何(なん)でも力(りょく)で解決(かいけつ)しようとする大国(たいこく)のやり方(かた)に、憤(いきどお)りを禁(きん)じ得(え)ない。

★ 例題(れいだい) ★
1) 保証人(ほしょうにん)になった(ばかりに/だけに)、負債(ふさい)を(背負(せお)わせて/背負(せお)わされて)、一家(いっか)心中(しんじゅう)した家族(かぞく)のニュース(見(み)たので/見(み)て)、私(わたし)は同情(どうじょう)の念(ねん)を禁(きん)じ得(え)なかった。
2) 心(こころ)の師(し)( )仰(あお)いだA老人(ろうじん)の死(し)( )前(まえ)にして、私(わたし)は(悲(かな)しむ→    )を禁(きん)じ得(え)なかった。

(^^)前(まえ)課(か)の解答(かいとう)(^^)
1) きっかけ/なって(「が」に注意(ちゅうい))/なった(状態(じょうたい)変化(へんか)→文型(ぶんけい)446)
2) 戦(たたか)わせた(使役(しえき)文(ぶん))/の(名詞(めいし)句(く)→文型(ぶんけい)354)/に


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